3度目も正直、そして最後ではない

アーティストのライブやパーティーなどで今まで2つだけ皆勤がある。一つは横田さんのやっていたskintoneというパーティー、それ事雨の日も風の日も全部通った。とにかく意味が分からないくらい楽しかった。もうひとつはジョアン・ジルベルトの来日公演。全日程を行っている訳ではないが過去3回の来日すべて行っている。行かない理由が思いつかない。
そう、今日はジョアンの3度目の来日公演最終日だ。
とにかく4年前の初来日自体が奇跡と言われ、それが(オブリガート・スリープ事件も含め)伝説的になったり、ライブCDになったり、あり得ない事だらけで、さらに翌年も来日して「また生で聴ける!!!」と興奮し、手が腫れそうなくらい拍手をし、終わった後は言葉なんか出ずため息だけで、そんな「神」とまで称されるひとを、3回も観れるのだ。これは、ほんと信じられない。ジョアン・ジルベルト75歳!
さすがに3回目にもなると、来ている人も前回前々回の話を知っていたりするので、開演時間を過ぎても「到着が遅れています」、もっと経って「ただ今ホテルを出ました」、さらには「到着しました」という場内アナウンス(実況?)にも、暖かい笑い声で、なんか、こういう時間に関するゆったりとした感覚は普段なかなか味わえるものじゃないので、微笑ましい。今回も当然、空調はオフだ。
そして、会場で始めて知ったのだが、昨日と今日の公演がなんと、なんと、DVD化するらしい!2003年から2度も断念している(らしい)世界初DVDを日本公演で撮るなんて!そこにいるなんて!
で、そんなジョアンはどんな演奏だったか?そんなこと言える訳が無い。時には体が自然とスウィングし、時には聴こえる音に耳を澄ませすぎて無呼吸になってしまったり(自分の呼吸の音すら空間を変えそうでためらってしまう)固まってしまったり、座って聴くライブだということを差し引いても、こんなに空間に支配されるというか、遥か遠くに見えるギターのホールに吸い込まれそうになることなんて、滅多に無い。特に「息をのむ」というのはこういうことか、と体験させる演奏もそうそうあるもんじゃない。
ライブCDでいつでも聴けたり、DVDになって家でいつでも観れるのは非常にうれしい。でも、やっぱりライブが良い。76歳になっても来てください。こちらこそオブリガードだ。
BGM:in Tokyo/Joao Gilberto